出版社内容情報
言語学をリードしてきた生成文法の入門書。「言語獲得」にも1章をあてるなど、日本語のデータをもとに理論言語学のすべての領域を解説する。
目次
第1章 ことばの研究
第2章 ことばの獲得
第3章 音としてのことば
第4章 語彙と辞書
第5章 文の仕組み
第6章 語の意味と文の意味
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
niko
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約10年前、と少し古い本なのですがよかったです。ただ、音韻論と統語論の分厚いテキストを英語で読んだあとだと、そのすっきりさにある意味がっかりしますね。3ヶ月みっちり習ったものが50~60ページで簡潔に説明できちゃうのですから。でも、第一言語の獲得についてくわしく書いてあったし、また生成文法の各分野でもまだ習っていないところがあったので、その情報について軽く予習できたのはよかったです。2008/06/26
Shiz
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「言語」とはあくまで誰かが定めた単位であって、言語学は哲学とも数学とも倫理学とも…様々な学問と重なり、又そこから派生して新しい学問というものが生まれるのだろう。以上思ったこと。こんな事は書いてません(笑)もっと面白いです(笑)人間は生まれながらにして言語獲得が可能(生得説)の証明、生後1日の新生児が言語音と非言語音(機械音の様なもの)を区別する基盤がある、文字を持たない言語は存在するが、音を持たず文字だけで存在する言語はないという事、、、学問にするだけで当たり前が面白くなる。2013/07/02
ちょっかん
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生成文法について解説した入門書。チョムスキーに関しては以前に何冊か読んだが、分からない箇所も多かったため、本書は理解の助けとなった。英語だけでなく、日本語の具体例も多く非常にわかりやすい。ただ本書を読んで思ったのが、生成文法を中心に書いてはあるが、構造主義に基づく分析理念も多く記述されていることだ。特に音声学、音韻論の箇所はむしろ構造主義的分析ではないかと思った。構造主義と生成文法は理念こそ違えど共通するところも多いと感じる。本書はむしろ近現代の言語学の入門書として読むのが適当だと思う。2019/01/26