内容説明
本書では、聖書に由来するヘブライ語の名前の起源をたどり、それらの名前が、ヨーロッパ文化の発達に大きな貢献をしたギリシャ民族、ラテン民族、ゲルマン民族、ケルト民族、スラヴ民族の間にどのように広がっていったかを見る。民族の言語を起源とする名前がどのような発想のもとに生まれ、どのように広がっていったかを見ることができるように構成した。付録・各種日本語訳聖書の人名表記/男女各100名称の10言語対照表/ヨーロッパ9か国の命名事情に加え、英和対照表、五十音順索引を付した。
目次
第1章 ヨーロッパを包むヘブライ叙事詩の世界
第2章 ギリシャ神話の世界に育まれた殉教の聖人たち
第3章 西のトロイから西欧キリスト教の拠点へ
第4章 ゲルマン精神と地中海文化の合流
第5章 ケルト民族復興の願い
第6章 東ヨーロッパの覇者スラヴの民
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
noémi
10
interestigっていう意味で面白かった。ただ、事典っていうだけあってすごい分量。読み通すのが大変だけど、すっごくタメになった。長年疑問に思っていたことも、かなり氷塊できた。有名なビョルン・アンドレセンのビョルンって「熊」から来ているとか。聖書由来の名前、ギリシャ渡り、ローマ渡りっていうのは案外類推しやすい。だがゲルマンは難しい。メロヴィング朝のクロヴィスは実は現代のルートヴィヒに至るっていうのは、説明を読んでやっとわかった。あと名前に隠されたケルトの意味とか奥深いです。名前で歴史を考察できる。2012/07/16
in medio tutissimus ibis.
5
欧州の人名の由来を、ヘブライ、ギリシャ、ローマ帝国と中世の聖人、ゲルマン、ケルト、スラヴの六章に渡って解説する。欧州の人命と言うとかなり選択肢が限られる様な先入観があったが、しっかり解説されると結構な分量になる。名前のイメージの変遷や流行の背景に歴史あり。結構王様やその家族の名前が流行の発信源になっていて、そういうところは洋の東西を問わないのか。同じ名前が違う言語で使われると、結構音の感じが変わったりしていて驚く。カールおじさんは農夫おじさんだったんだなぁ。2019/01/11
明智紫苑
5
これの日本人名版があればいいのにね。下の名前ではなく苗字の本ならあるけど、下の名前の本はなかなか見つからない。読みたいけどね。2017/06/10
すいれん
3
解りやすく、面白い。メモとりながら読むつもりがずるずる引き込まれてメモ取らずに読了。2回目はメモしっかりとる。絶妙な脱線。 付録の対照表とか、本文で取り上げなかった名前の解説等々、こちらも読みごたえあり。 ロシアは難しい。男女別に個人名、父称名、姓。正式名、短縮形、愛称形、卑称形…ど、どうしたらいいの?!と軽くパニック。 横書きで、横2列の表記が読みやすかった。絵や写真も載っていて、興味深い。 2018/09/01
さいと
3
いいんです・・・良いんですけど、ファーストネームじゃなくて、ファミリーネームが知りたかったんだよ・・・。残念。2011/04/17