出版社内容情報
日本は「稲穂の国」と云われ、コメ作りは神事やお祭り、経済、軍事、政治に影響を与えてきた歴史がある。コメ作り技術と文化をもとに発展してきた国といえる。戦後、アジア諸国に対する最初の国際協力は食料増産を目的とした灌漑稲作協力である。現在はアジアからアフリカへ日本的灌漑稲作協力は拡大し食料自給の国際協力に取り組んでいる。日本の農業協力は農学、農工学等の自然科学技術が中心となり、地域の農民技術や農村社会文化の実態調査を軽視した生産性重視の技術協力が行われている。本書は農業協力とは農民技術や農社会の実態を総合的・全体的に把握し、学際的なアプローチや社会文化を尊重する重要性を説いている。著者の長い農業技術協力の現場経験と大学での研究やNGO活動の実践体験から農業協力の先導的役割として「農民技術と農村実態調査」の重要性を体系的にまとめている。本書の基調は国際協力と農業協力として次の4部に分け説いている。
第I部の「異文化社会の農業協力と国際協力を考える」
第II部の「異文化社会の農民技術の解明と農業技術協力」
第III部の「これからのアフリカの食料問題と農業協力を考える」
第IV部「アジア、アフリカ、南太平洋の農業開発協力にロマンと生き甲斐を求めて」
【目次】