出版社内容情報
本書は、書名のとおり、心理臨床の専門書からだけではすんなりとは理解しにくい事柄や、理論と実践の隙間にこぼれ落ちがちな事柄について、臨床実践を通じて蓄積された「知」により、分かりやすく説いている「副読本」です。
内容は、臨床現場で遭遇する様々な問題に対する実践的対処法にまつわることが中心ですが、その背後には、広く深い知識と経験に裏打ちされた臨床観や倫理観があります。心理臨床を学ぶ学生や現場に出て日々悪戦苦闘している若手専門職には、「今、ここで」の道標となるはずです。また、子育てや学校・福祉施設等で苦労されている方々にも大いに参考となると思います。
専門書や各種ツールの手引書が、心理臨床やクライエントをいわば外側から理解するものであるとするなら、本書はそれらを心理臨床実践の内側から理解するものであるといえます。平易な語り口ですから、肩の力を抜いて読んでいただけると思います。
目次
1 臨床実践と臨床観
2 常識とは、善悪とは
3 臨床倫理
4 見えないものを見る・言葉ならぬものを聴く
5 相談から見えるもの~普通に生きるのは難しい
6 相談の中で思うこと~言葉の意味と力
7 相談のあい路あれこれ
8 犯罪非行臨床の要諦
9 「面接」をする・考える
著者等紹介
川邉讓[カワベユズル]
駿河台大学心理学部/心理学研究科教授。1979年、心理職として法務省に入省後、少年鑑別所長、法務省矯正局企画官(少年鑑別所担当)、刑務所・拘置所部長などの矯正局関連機関のほか、保護監察官、人事院試験専門官(心理学担当)として30年間の心理職公務員として勤務。その後、駿河台大学に移り、心理学部長、心理学研究科長、心理カウンセリングセンター長など歴任し現在に至る。この間、人事院試験専門委員(人間科学担当)、公認心理師試験委員、内閣府子ども・若者育成推進施策点検評価会議構成員、人事試験研究センター専門委員、法テラス犯罪被害者支援課アドバイザー、東京臨床心理士会・東京公認心理師協会副会長、精神科病院心理職などとしても活動。公認心理師、臨床心理士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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