出版社内容情報
なんとなく味気ない一人暮らしを続けてきたOLの京子。
ある夜、腹ペコでやさぐれながら帰宅すると、隣に住む女子高生の百合に呼び止められる。
「あの、角煮が余っているんですけど」
むしゃくしゃした勢いで一人では食べきれない材料を買ってしまったらしい。
でも彼女は別に料理が好きなわけではないという。
何か訳あり? そう思いつつも角煮の誘惑には勝てず、夕飯を共にして――。
クールな社会人女子と、実は激情家なJKのマリアージュが作り出す、愉快で美味な日常。
内容説明
なんとなく味気ない一人暮らしを続けてきたOLの京子。ある夜、腹ペコでやさぐれながら帰宅すると、隣に住む女子高生の百合に呼び止められる。「あの、角煮が余っているんですけど」むしゃくしゃした勢いで一人では食べきれない材料を買ってしまったらしい。でも彼女は別に料理が好きなわけではないという。何か訳あり?そう思いつつも角煮の誘惑には勝てず、夕飯を共にして―。クールな社会人女子と、実は激情家なJKのマリアージュが作り出す、愉快で美味な日常を召し上がれ。アルファポリス第4回ライト文芸大賞大賞受賞。
著者等紹介
辺野夏子[ヘノナツコ]
2019年より小説を書き始め、2021年に商業デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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Karl Heintz Schneider
35
「角煮を作りすぎてしまってよかったら少し受け取ってもらえませんか?」隣の部屋に住む女子高生の百合から突然こう切り出されたアラサーOLの京子。これをきっかけに二人はお互いの部屋を行き来するように。ところが百合が一人で住んでいるのにはあるワケがあって。初読みの作家さんだったがまずまず面白かった。この方の文章には少しクセがあるかもしれない。一つの結論に辿り着くまでに10以上の前置きがある。よく言えば描写が細かい、悪く言えばムダが多い。でもそのムダがユーモアに富んでいて。読みながらときおりクスッと笑えてしまった。2025/06/08
栗山いなり
5
アラサー女子と女子高生が織りなす日常を料理と共に描いた物語。表紙とかあらすじとかで一瞬百合か?と思った自分を恥じたい気分になった、歳の離れた女二人の友情小説だった。個人的にそうだねーって思える部分もあったりした2025/02/09
nas
4
気持ちのいい話だった。ちょっと良いものを作って食べてみたり、買ってみたり、違うことをしてみたりで楽しい生活を得ようする姿が好き。こういう地味な幸せの積み重ねがソロの生活にはバフとして効いてくるんだよな。それを一緒に楽しめる人がすぐ近くにいるのは素直に羨ましい。あとは最後のレシピの話はぐっと来た。賭けに出るという考え方も好き。作者の別の本も読んでみようかな2025/06/10
Yukipitasu
3
偶然表紙イラストの宣伝を見かけたり百合小説botで紹介されていて気になったから買ってみた。 再婚しようとする父親も再婚相手も悪くはないけれど、どうしても受け入れられない笠音百合さんの気持ちを、単なる思春期のワガママだからと切り捨てる事もなく、共感はする事もあるが踏み込みすぎる事もなく、隣にいてくれるちょっと仲の良い他人って感じのスタンスでいる諏訪部京子さんがけっこう好き。 2025/06/15
ゆり
2
ふたりともサバサバしていて、女子同士の嫌なベタベタした感じではなく、程よい距離感で近所付き合いをしていたのがよかったです。都内でいきなりお隣さんと仲良くなるというのは非現実的ですが、そこは創作だからこそ。同じような家庭環境だったというのは少しできすぎな気もします。お料理描写は思ったよりもあっさりめ。2025/04/07