内容説明
墳墓の山と呼ばれている小牧アルプスの東側に天川山がある。山の中腹に国史跡の大山廃寺跡。そこは秘かに眠る古墳群とともに大山峰正福寺(大山廃寺)がある。12世紀に無人寺から国を二分した巨寺になった。しかし、山門と寺門の確執で山ごと燃やされた悲運の寺。この本は大山寺の栄枯盛衰の物語である。江戸時代宝暦年間、尾張国小牧山近くの玉林寺、小牧の胡蘆坊臥雲と名古屋の横井也有。大山寺は平安後期に全盛期を迎え「西の比叡山延暦寺、東の大山峰大山寺」といわれる程の巨寺になるが、寺は謎の僧兵に焼き討ちされる。その為に幻といわれた大山寺の謎が今二人によって解かれようとしている。
目次
第一章 幻の大山廃寺の謎(臥雲と西行の仏像;石上げ祭り・江岩寺・大山廃寺;大山寺縁起;幻の大山廃寺の謎)
第二章 十六菊花紋軒丸瓦(創建時の謎)(大山廃寺の謎説きが始まる;天孫降臨と大縣神社;尾張氏;十六菊花紋瓦)
第三章 白河法皇の夢(全盛期の謎)(臥雲の恋心;天下三不如意;大山寺中輿の祖玄海上人;白河法皇の夢;記録がない)
第四章 山門か寺門か燃える大山寺(平安後期の謎)(西行法師と玄法和尚;祇園社乱闘事件;藤原覚忠と阿部泰親の出会い;呪詛の時代;燃える大山寺(1)(2)他)
第五章 鵺に襲われる近衛天皇(児神社伝説)(本家と新家;間々観音;鵺に襲われる近衛天皇;式神;夢の跡)