出版社内容情報
上等だ あたしはあなたに出会えたし 2人で笑い合ったりできた――現在小説家としても活躍する歌人・加藤千恵が、大学生時代に発表した第二歌集『たぶん絶対』で詠んだ歌が、22年の時を経て蘇ります。
加藤千恵最新歌集となる本書は、『たぶん絶対』に収録された全ての短歌と、それ以降に詠まれた歌、そして本書のために書き下ろされた歌で構成されています。22年という時の隔たりを自在に行き来する軽やかさと、22年間という時の凝縮が生み出す力強さを併せ持った一冊です。
時に流されない頑なさと時の流れを上手に往なすしなやかさを持った言葉たちは、あなたが生きるこれから先の道しるべになってくれるのではないでしょうか。
内容説明
令和短歌ブームを先駆ける加藤千恵の最新短歌集。
著者等紹介
加藤千恵[カトウチエ]
1983年生まれ、北海道出身。立教大学文学部日本文学科卒業。歌人・小説家。2001年に短歌集『ハッピーアイスクリーム』でデビュー。小説、詩、エッセイの他、ラジオなどのメディアでも幅広く活動中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
papapapapal
37
あとがきを先に読めば良かった〜…。加藤千恵さんの20年前の作品と、それに呼応するような作品たち(半数は書き下ろし)。東京で過ごした学生時代、恋人や友人を想って綴ったキラキラとヒリヒリが交錯するような短歌と、大人になった現代、冷静で地に足ついてて時にギョッとするような目線の短歌との対比が面白い。印象に残る表現や素敵な言い回しがたくさん詰まってた。誰が読んでも、必ずひとつは心にぶっ刺さる一首があると思う。2025/02/14
まぁみ
23
過去作と新作が織り成す世界観。加藤さんの優くて温かくてキレイな言葉に魅了されまくり。私の方がずっと年上だけれども、学生時代を懐かしく感じさせてもらいました。何作かまた後ほど書き込みます!2025/01/09
練りようかん
17
歌集。ページを捲ると前ページと同じ言葉が使われていて、さらに踏み込んだ連歌、返歌に思えてあとがきで趣向が明確になると、甘やかされて育ち傷つき方も知らなかった20年前、今は傷つけた君に治してもらおうとしているのがとても象徴的に感じられた。歳月が長くあったようで20年ひゅっと消える感じもする、加藤さん特有の「ない」多めの「ある」が引き立つと感じた。好きな歌は全て偶数だった。もっともっと詠んで欲しい。“救いのない話聞いてた 深刻な顔しないよう気をつけていた”。3回のなが止めに感じて映像が立つ。否定の否定は肯定。2025/07/08
ナオミ
4
しばらく読んでませんが、恋愛小説が好きです。加藤さんの短歌、情景が思い描けるような恋愛を感じながら読みました。若いときって、こんなこと思いながら恋愛してたよねって思い出しました。2025/02/06
rain_squ
3
学生時代を東京で過ごした身として分かる部分もあり、全然分かりあえない遠くのキャラクターを見ているようでもあり。赤い口紅のが好き。2025/01/02