内容説明
狩猟大会で怪我を負いつつ竜を倒したエステルは、以前よりも様々な感情に囲まれていた。だが…。「あんな陰口に反応するよりも、演技をして頂けませんか?」アークレインを支える覚悟を決めた彼女は、日ごとに募る彼への想いを胸にしっかりと公務に励んでいた。そんな折、王妃の反逆が起こってしまう。国王へ毒を飲ませた容疑者として二人は別々の独房へ連れていかれ、エステルを守れなかったとアークは後悔していた。「特別を作るつもりはなかったのに―」二人の関係は偽りの演技から本物の恋へ変わっていたのだが…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
すがはら
7
初めから気遣いや優しさたっぷりの王子様だったせいで、どこまでが演技や義務感によるものか分からなかったヒロインとなかなか分かってもらえなかったヒーローのモダモダが微笑ましい。後悔の念と薬物中毒と足腰の骨折でボロボロな元婚約者との接触をキッパリ拒否し続けたのは意外でした。世の主流となっている情に厚く古い価値観に囚われないヒロインとは少々違うようで、そこが全体的に大人しい印象につながるのか。竜殺しの異名までもらう武闘派なのに。最終的には、親世代の因縁を超えて、若い世代で良い関係を作って行けそうで良かった。2024/11/19