内容説明
「捨てるなら、私にくれませんか」母親の死、恋人の裏切り―絶望に打ちひしがれた黒島光は、死に場所として選んだ廃墟ビルで、美しい男に声を掛けられた。九条と名乗るその男は、命を捨てるくらいなら、自身の能力を活かして心霊調査事務所で働いてみないかと提案してくる。しかも彼は、霊の姿が視える光と同様に『見えざるもの』を感じ取れるらしく、それらの声を聞いて会話もできるとのこと。困惑しつつも、初めて出会った同じ能力を持つ彼が気になり、光はしばらく共に働くことを決めるが…アルファポリス第5回ホラー・ミステリー小説大賞特別賞受賞!
著者等紹介
橘しづき[タチバナシズキ]
愛知県出身。2023年『ただいま、憑かれています。』(角川文庫)で出版デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はな
7
めっちゃ面白かった…!幽霊が出てくるミステリーという感じ。謎がどんどん明かされていってハラハラした。怖いだけじゃなくて、感動のシーンもあって号泣。あととにかくキャラがいい!クスッと笑えるところもあるし。この作家さん合うなー…続編絶対読みたい!!2024/06/07
長峰
6
死んだ人が視えるっていうのは本人してみればかなりツライと思う。ましてや理解者がいなければ主人公の黒島みたいに自殺を考えても仕方ないのかな?でも天然ボケの九条がその場に居合わせ、彼女をスカウト。自殺しようとした自分をスカウトする九条を怪しみつつ、九条がやっている心霊探偵事務所へ。そこには明るい青年伊藤が九条をフォローしつつ対応してくれる。伊藤のキャラが陽キャラなので雰囲気は明るい。九条と黒島は依頼人を通して様々な心霊現象に合う…んだけど最後の方で感動話を突っ込まれて泣いた‼️最後泣かされた‼️2025/03/13
あずとも
5
母親の死、霊が見える事からの恋人の裏切りで死に場所として選んだ廃墟ビルで光は『見えざるもの』を感じ取り声を聞いて会話もできる九条に出会う。そして九条の事務所に持ち込まれる怪奇現象に関する依頼を共に解決していく事になる。母親の強い愛情と人の悪意が絡むホラーでもありミステリー要素もありキャラもよく凄く面白かった。2024/06/05
紫音みけ
3
怪奇現象の謎を暴くお話。怖さもありながらキャラ同士の掛け合いはコミカルで面白い。冒頭で主役二人の出会った理由がラストで明かされる構成がお見事。終盤の展開にほろりときた。2024/09/29
葛城騰成
3
死者の声が聞こえる九条と死者が視える光。 二人がタッグを組んであちこちで起きる怪奇現象を解決していく話でした。題材はホラーですが、九条と光のやりとりが面白いので、怖さがいい塩梅で中和されており、楽しく読むことができました。今回は病院とアパート、二つの場所で起きた事件を解決する話となっていましたが、どちらも真相を知りたいという好奇心に駆られて、次々と読んでしまいました。人間の底しれない悪意と愛情、どちらも味わうことができる良作だと思います。2024/05/31