内容説明
佐藤典司、ポール・メイソン、斎藤幸平、グレン・ワイル、ユヴァル・ノア・ハラリ、松岡豊等の著作の評論を通し、デジタル時代の諸問題を考察する。デジタル時代の諸問題の考察に続いて、格差の問題を考察したい。なぜならデジタル時代は経済の低成長にあって賃金が上がらないなか、情報を独占する者が利益を得、格差が上昇しているからである。
目次
第1部 デジタルの諸問題に関する考察(佐藤典司『資本主義から価値主義へ』(新曜社、二〇二一年)の摘要とそれに関するコメント
ポール・メイソンの『ポストキャピタリズム』(東洋経済新報社、二〇二〇年)について
ポストキャピタリズムへの展望
AIやバイオテクノロジーのアルゴリズムの発展がもたらす資本主義の問題にどう対処するのか―グレン・ワイルとユヴァル・ノア・ハラリ(『21Lessons』)の問題提起
日本の変革をめぐる共産党中央委員会国民の声メール室係との若干の議論
AIおよびディープラーニングの問題の解明と、松尾豊の提起するディープラーニングへの若干の見解)
第2部 格差の問題(アメリカでは労働者階級(所得階層の下位五〇%)が全納税者の二五%前後の税金を払い、それに対し所得最上位四〇〇人の税金の割合が二三%となっている―エマニュエル・サエズ/ガブリエル・ズックマン『つくられた格差』(光文社)の要約ならびに補足
地方公務員の三人に一人が非正規公務員―上林陽冶『非正規公務員のリアル』(日本評論社)より
教育格差の問題―松岡亮二『教育格差』の高校改革を中心に)
著者等紹介
渡部正元[ワタナベマサモト]
1939(昭和14)年秋田県秋田市生れ。1970年法政大学大学院人文科学研究科博士課程哲学専攻単位取得。元法政大学非常勤講師。現在・東京唯物論研究会会員、昭島環境フォーラム会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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