内容説明
「今日から貴方の剣になります」後宮の誰もに恐れられている貴妃には、守り抜くべき秘密があった。それは彼女が貴妃ではなく、その侍女・孫灯灯であるということ。本物の貴妃は、二年前に不審死を遂げていた。その死に疑問を持ちながらも、彼女の遺児を守ることを優先してきた灯灯は、ある晩絶世の美男に出会う。なんと彼は病死したはずの皇兄・秦白禎で…!?毒殺されかけたと言う彼に、貴妃も同じ毒を盛られた可能性を示され、灯灯は真実を明らかにするために彼と共に戦うことを決意し―
著者等紹介
山咲黒[ヤマサキクロ]
広島生まれ。2008年商業デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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shizuca
5
視点の入れ替わりがあったから、何となく同情して読み進めていたので、中盤辺りからまさかそうきたか〜な展開でした。皇兄はなかなかのお年で、それは事件の内容的に仕方がないのだけど、やっぱり言動はそのお年よりも下に感じました。何年も尻尾がつかめない狡猾な相手をやっつけた灯灯パパ、もう少しエピソード欲しかったなぁ。灯灯がまったく思いも寄らない父親の顔だから書かずとも、彼女に寄り添って物語に浸れるけれど、あのまま物語が閉じるのはもったいない気もしました。これからの二人も気になります。2024/05/29
kokekko
2
帯に書かれていた設定が面白そうだと思って読む。とてもよくできた骨太な物語で、アルファポリス文庫とはなろうの拾い上げだけじゃないのかと調べてみたら、2010年ごろから活動している作家の作品だった。一冊でよくまとまっていて楽しいが、一時間くらいで読み終わりたいペースで読んでいると目が泳ぐような漢字(中国の家具名に日本風のルビをふっている系)が多い。まさにこのやり方で「蒼穹の昴」を読ませてしまった浅田次郎は、いろんなバランスを考えて書いていたんだな……とこの読書を通して感じるなどした。続きはいいかな。2023/11/29