内容説明
付喪神で料理人の剣は、ある日人間の子・悠を拾う。何やら悲しい過去を持つ悠を放っておけず、剣は自分で育てることを決意する。傷ついた悠の心を料理で癒し、父娘の距離は少しずつ近付いていった。二人暮らしにも慣れてきた頃、剣の料理を求めて、しっぽが二つある不思議な白い猫がやってくる。実はその猫は家族の縁を結ぶ神様で、かつて剣とある誓いをしたと言い出して―あやかし父さんの料理が、不思議な愛情を育む。温かくて美味しい父娘の物語。
著者等紹介
真鳥カノ[マトリカノ]
2019年より、オンラインにて小説投稿を開始。「あやかし父さんのおいしい日和」で、アルファポリス第4回キャラ文芸大賞の奨励賞を受賞。本作を改題・改稿の上、出版に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ツン
70
付喪神たちが出てくるけど、現実的な社会のルールの壁に悠との別れを覚悟する剣。実際の日本にも戸籍のない人がいるということとか考えてしまいました。悠の成長する過程ももっと読みたかったけど、少なくとも高校生になった悠が見られたから良かったです。2024/07/25
真理そら
48
相変わらず付喪神の剣は不器用で、ハルは純粋でかわいい。が、6歳になったハルを学校に行かせるためには付喪神の剣は力になれない、その上ハルは無戸籍なのでなんとかしなければならない、その想いがハルに誤解を与えるような冷たい発言になてしまう剣。終章の内容からこれで物語は完結かな。ところで本体と離れた状態でも付喪神は活動できるんだろうか、という素朴な疑問が残る。2023/08/20
葛城騰成
11
付喪神と人間の子が、「家族」に――「親子」になれるのかを問う物語だったように思います。悠が小学校に行ける年齢になり、徐々にこの世のことが分かってきた時に、親同然に慕っていた剣から親子になれないと突き離されてしまうのは辛かったでしょうね。それでも、プッシュ・ド・ノエルを茜さんと共に作って剣に歩み寄ろうとした悠は立派でしたね。八重さんが剣の作った卵焼きを再現しようと奮闘する話や、母親の愛を求めていた煌の切ない話など、随所に感動できる物語が散りばめられていて良かったです!2025/08/20
陽ちゃん
7
包丁の付喪神である剣と、彼に拾われた人間の子の悠のお話の第二弾。悠が大切すぎて、付喪神の自分と一緒にいては普通の人としての未来が持てないと思い込んで彼女から離れようとする剣と、理屈抜きにとりあえず大好きな剣と一緒にいたい悠。どうなることかとヤキモキしましたが、周りの手助けで丸くおさまって良かったです。そして、悠の実のお母さんと思しき女性とパティシエ栗間さんのエピソードに、悠が愛されていたことが分かってグッと来ました。更に最終話!いきなりの展開に驚きましたが、応援しちゃいます。2023/09/12
くまくま
5
完結? ちょっと中途半端な感じ2023/12/02