内容説明
小国ハーゼンヴェリアのしがない平民スレインは、王族たちの急逝により自身が王の隠し子だと知らされ、突如王位の継承を迫られる。知識も経験も足りない中で彼は、持ち前の聡明さとひたむきさ、そして副官モニカの支えで、結果を残し周囲に認められていく。しかし戴冠の直前、大国のガレド大帝国から宣戦布告が。圧倒的兵力差を前に、スレインは絶望的な抗戦か亡命かの決断を迫られ―「戦おう。帝国と。そして勝とう―我が国を守ろう」各国の思惑が入り乱れる中、平民出の青年が類い稀な才覚で成り上がっていく内政戦記ファンタジー開幕!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
31
小国ハーゼンヴェリアのしがない写本屋の息子だったスレイン。母を亡くしたばかりの彼が、王族たちの急逝により実は自身が王の隠し子だと知らされ、突如王位継承を迫られる成り上がりファンタジー。最初は事態の急変についていけず戸惑いながら、覚悟を決めて知識も経験も足りないことを自覚し、持ち前の聡明さとひたむきな努力で周囲に認められつつあったスレイン。そしてガレド大帝国からの突然の宣戦布告。侮られて難しい選択を迫られる中、諦めずに妙案で陥った窮地を打開することで自らの資質を示して、認められてゆくその結末は見事でしたね。2023/08/08
nas
6
面白かった。かなり好きだなこれ。まだ続くけどこの1冊だけで話として区切りがついてるのも良い。2024/05/10
なぎ
6
平民出身の青年が挫けそうになりながらも努力と才覚で王位を継承するまでを描いた戦記ファンタジー。俺tueeeがあるわけでも転生要素があるわけでもなく、着実にスイレンが自身で努力を重ねて周辺から認められていく展開が丁寧に描かれている良作。スイレンに対して厳しいけど忠誠心が厚いセルゲイや副官のモニカなど臣下達の面々も魅力的でした。ガレド帝国との戦いはお見事で経験を積めば積む程才能を発揮して強くなっていくスイレンの王としての覚悟が清々しい。一人の青年の成長譚としても内政戦記ものとしても面白い作品でした。2023/08/20
ヴァル西野
6
Web既読。地に足のついた良作。転生転移要素のない、現実感が強い内政戦記ファンタジー。シリアスな作品が好きな方にはお薦めです。2023/08/15