内容説明
―その令嬢、前世、非凡な才能を持つ祓い屋！？不幸な死から西洋風の異世界に転生した子爵令嬢ニコラ・フォン・ウェーバー。そんな彼女は、ニコラの前だけ甘えたな美形侯爵ジークハルトとの再会をきっかけに、厄介事に巻き込まれてばかり。人にも人外からも好かれてしまう彼の面倒事を祓い屋スキルで解決する日々を送る中、今度はジークハルトから身分差違いの求愛を受けて波乱の予感…！？「婚約するのも結婚するのも、私はニコラ以外嫌だよ」ドタバタなあやかしライフと、たまにじれったい恋愛を添えて―これは平凡な日常を求める彼女が、いつか幸せになるまでの物語。第１回ドリコムメディア大賞金賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
33
優秀だった祓い屋の前世から、西洋風の異世界に転生した子爵令嬢ニコラ。美形侯爵ジークハルトとの再会をきっかけに厄介事に巻き込まれてゆく学園ファンタジー。身分差がある幼馴染からの求婚に複雑な想いを抱く彼女が、人にも人外からも好かれてしまう彼の面倒事に振り回される祓い屋スキルで解決する日々。そこから彼と仲のいい王子たちとの交流も増えてゆく中で、彼女自身もまた危険な状況に巻き込まれてゆく展開でしたけど、口ではいろいろ言いながらも因果を見極めて、自ら身体を張って真摯に向き合ってきた彼女が報われる結末で良かったです。2023/02/09
羊山羊
12
祓い屋の女性が転生したのは西洋ファンタジー風の異世界。令嬢ニコラとなって、学園の生徒会長ジークハルトと怪異に立ち向かう!西洋ファンタジーホラーという中々見ないジャンル。基本的にニコラが強いので心配することはないけど、怖いところはしっかりと怖くて良き。第一章のドッペルゲンガーのシーンとかは本当に良かった。ホラーギミックで好きだったのは、西洋ファンタジーの世界なのに神隠しに会う「匣の中の肖像」。フラグも含めてナイスアイデア!!只、ホラーにしては個人的にもうひとひねりほしかったかな…。続刊まで食指が押びぬ。 2024/02/07
御上 零
12
幼馴染のジークや王子のアロイス相手に文句を言いつつも世話を焼き、なんだかんだ見捨てることが出来ないニコラ。その姿からは彼女の奥底にある優しさがしっかり伝わってくる。とても可愛い苦労人。特にジークとのやり取りを読んでいる際には、時折顔がニヤけてたと思う。デレデレな美形青年とツンツンな世話焼き少女、なんだこのお似合いな2人は……と何度思ったことか。 また、祓い屋として人外の存在や特殊な力との向き合い方にしっかりと信念を持っているところが良かった。その姿からは彼女にしかない強さとかっこよさを感じることが出来た。2023/02/09
菊地
6
西洋風の国家・人種に東洋風の概念を組み合わせた世界観で、呪詛や怪異の描写が意外（というのも失礼ですが）にしっかりしていた。 クールで塩対応気味ながら本質的に人がいいから困っている友人を放っておけない主人公のキャラクター造形に、トラブルメイカー気味ながらも主人公のことが好きなヒーロー役の組み合わせ。身分差故に距離を置こうとしてる主人公、それでも主人公を求めるヒーロー、いいですね。好き。 そして「ｻﾞﾏｧ」にしても、画一的な断罪ではなく、もっとおぞましくドロドロした結末でゾクッとする面白さがあった。2023/03/06
らいら
5
祓い屋であった前世の記憶を持ったまま西洋風の世界へ転生したニコラ。良すぎる見てくれで怪異を引き寄せてくれるジークハルトや、怪異が見える第一王子アロイスが持ってくる怪異を、ニコラが祓う連作短編集。 祓い屋として一貫した態度で望む彼女が可愛らしくもカッコよいお話。2023/02/12
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