内容説明
とある令嬢の死から始まる、愚か者たちの転落劇。伯爵令嬢ロロナ・リュースが事故死した。その知らせが舞い込んだのは、彼女が婚約者である王太子に婚約破棄を告げられた翌日のことだった。妹を虐げたなどといわれなき罪で叫弾されながら、その咎めをあっさり受け入れたロロナ。彼女は郊外の街道で横転した馬車の中、痛ましくも顔の潰れた遺体となって発見されたという。その死を知ったロロナの妹は喜んだ。「これで王太子は自分のもの」と。王太子は笑った。「もっと早く死んでくれればよかったのに」と。しかし、彼らは知らなかった。ロロナの死がもたらすものは、幸運だけではないということを…。Web連載の本編に加え、「彼ら」のその後を描く書き下ろし番外編収録!
著者等紹介
マチバリ[マチバリ]
2020年より小説のWeb投稿を開始し、2021年に商業デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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ホシナーたかはし
19
ネット版を再読しようとしたら、書籍化に伴い外されていたので購読。王族を抑え込むための貴族院・浮気を防ぐための教会て設定は、最近の婚約破棄ものとしてはしっかりしていて良かった。ただ書籍化に伴い加筆した二段目のオチは、私的には蛇足でした。2022/05/01
T
14
伯爵令嬢ロロナ・リュースが事故死した。その知らせを聞いて悲しむ者もいれば歓喜する者もいる。しかしその知らせは歓喜した者たちにとって幸福を意味するものではなかった。これは残された人々の物語。この物語の主人公はロロナにあらず。真の主人公は彼女と関わりの合った人々。彼女のことを好ましく思っていた者とそうではない者。各人の視点で書かれた物語で両立場にいた人たちの明暗がはっきりとわかって面白かったです。また、当初はロロナが裏で暗躍するかと思いきやそんなことがなかったというのも珍しくて面白かったです。2022/08/29
ひこかつ
13
AI のお勧め本?とゆうことで読んでみた。よくある婚約破棄もの。ただしヒロインは死亡。で、ヒロインが死んでしめしめと思っている家族、王太子、メイドが自滅して返り討ち⁇にあうお話。もう少し幸せな場面が多くてもいいと思うんだけど、、。2025/03/12
tomoaoso
9
主人公が死んで、残された人々の物語。 あらすじを読んだ時「ダーク系のざまあ話」と思っていたけど、ミステリー要素も少しあるかな? 主人公の死の謎が明かされて行く所がすごく面白かった。 1冊でまとまっていて作者の他の作品も読んでみたい。2022/05/21
十六夜
7
コミックスから。当該の婚約破棄されて事故死したとされる令嬢は結果的には助かっているんだけど、彼女が眠っているあいだにすべてのことが勝手に回り出し勝手に滅んで勝手に解決しているという新しいお話。彼女本人は信頼できる人物の手を取り新天地へ向かうので読後感は爽やか。ホントにヒロイン両親がどっちもなかなかのクズで、クズらしい結末を迎えてよかったわ。2024/09/07