内容説明
「コロナ禍だから」と自由気ままに、国民の権利を制限する資格は誰にもない。憲法学者・倉山満と「救国シンクタンク」が世に問う真の憲法論。“未来の日本を考える”シリーズ第一弾。
目次
序章 現在の日本には、国民の自由が大切であるという議論がない
第1章 根源的な自由と憲法の歴史
第2章 大日本帝国憲法と日本国憲法における「有事」と補償
第3章 コロナ禍と緊急事態条項
第4章 ポストコロナへ
横山弁護士レポート
巻末鼎談
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
南北
35
本書はコロナ禍に対する国や地方自治体の施策が憲法に照らして適切だったのかについて考える本である。外国も含めた憲法の歴史を振り返るとともに、憲法の中でも特に重要な財産権を国などの施策が科学的な根拠や場合によっては法的な根拠すらなく侵害しているのではないかとの疑義を提示している。「このご時勢」等という枕詞を使えば何でも通ると思っている人たちほど読んでほしいと思う。特に内閣法制局長官の近藤氏が出したいわゆる「近藤4条件」は知っておくべきことだと思う。2022/03/16
水落健二
2
「コロナ禍だから」と自由気ままに、国民の権利を制限する資格は誰にもない。 帯に書いてある言葉、その通りだと思います。 憲法や法律がどれだけ綺麗に飾られていても、それをしっかりと運用していかなければ意味がない。今回のコロナ禍(個人的にはコロナ「対策」禍だが)のような有事の時に、戦前戦中を思わせるような事態になったということは、なにかあればすぐに自由を奪われるということの証明です。 国民が自由を望む、そんな社会になってほしい。無理だろうけど。2023/04/29
せいや
1
救国シンクタンク叢書の1冊目。コロナ禍において行動制限や飲食店の自粛要請などがあったが、憲法が定める財産権に照らして政府の対応が適切であったかについて、疑義を呈している。自由主義の基盤として財産権がある。有事だからといって政府の統制を無条件に国民が受け入れては、その度に国民は自由を失うことに気づかなければならない。戦前期の極度の統制社会により、国民は自由を我慢したにもかかわらず、敗戦という代償を負わされたことを忘れてはいけないだろう。2022/08/11