内容説明
母親を亡くし、失踪した父親を捜しに、江戸に出てきた鈴。ふらふらになり、行き倒れたところを、料理屋「みと屋」を開くヤクザの親分、銀次郎に拾われる。そこで客に粥を振舞ったのをきっかけに、鈴はみと屋で働くことになった。「飯が道を開く」料理人だった父親の思いを胸に鈴は、ご飯で人々の心を掴んでいく。そんなある日、銀次郎が無実の罪を着せられて―!?第6回歴史・時代小説大賞・読めばお腹がすく江戸グルメ賞受賞作。
著者等紹介
千川冬[センカワトウ]
2020年、「料理屋おやぶん―ほろほろしょうゆの焼きむすび(旧題:料理屋おやぶん―ほろほろしょうゆの焼き結び)」にて、第6回アルファポリス歴史・時代小説大賞の「読めばお腹がすく江戸グルメ賞」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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タイ子
72
ちょっと変わった料理屋。主人が元やくざの親分、店に居ついているのがカマイタチの弥七という殺し屋。そこに行方不明になった父親を捜しに江戸に出てきた鈴が親分に助けられる。鈴の料理の腕を見込んで店に置いたものの、客は一人も来ない。ていうかいろんな噂が飛び交い皆避けて通る。客は少ないが鈴の作る料理は食べる人を前向きにさせていく。強面親分と父親の意外な接点、江戸にはびこる悪い輩。この店大丈夫か?そんな心配はよそにホントは優しい強面親分と全く儲からない料理屋の人情物語。シリーズで読みたくなる作品。2021/10/24
真理そら
57
この文庫のシリーズ(になるのかどうか知らないけど)らしくさらりとした読み心地の作品。料理屋の主のおやぶんが全く料理ができない上にコワモテで客が寄り付かない、父を探して江戸に来て行倒れた鈴はその料理屋「みと屋」に助けられる。客のこない料理屋だけれどとりあえず鈴はそこで働くことになる。というわけでこの作品ではおいしそうな料理は登場しない。本格的に鈴が腕を奮うのは次巻(あるかどうかしらないけど)からのお楽しみというところかな。2021/10/06
はる
25
唯一の肉親の父親を探して行き倒れている所を助けてくれたのが元ヤクザの親分でまずいご飯をだす料理屋の銀次郎。そんな料理屋で奉公をする事になった鈴ですが、客はいっこうに来ないのに騒動はやって来ます。騒動と共にやって来た人達はいずれ常連となり、友となり、料理屋を賑わせてくれるはず。そして、行方不明の父親の手がかりがつかめたと思ったらとんでもない事件へ発展していきそうな予感。果たして、父親は無事見つけだせるんのか、そして、料理屋の売上は上がるのか、次回作に期待。きっと次回作が出ると信じてます。2021/10/21
紗世
20
時代小説。失踪した父を探して江戸に来て、行き倒れたところでヤクザ者に助けられて店の手伝いをするようになる話。笑っちゃうくらい軽すぎて、アルファポリス文庫と気づいて納得。2023/02/19
小梅さん。
15
銀次郎親分、こわもてだけどいい人だね。 お鈴ちゃんのお父さんとのいきさつ、そうだったのか。 お鈴ちゃんがいつかお父さんと再会できますように。 おねえの弥七もナイスキャラ。ああいうの、大好き。 そして、最初はどうなるかと思った人たちも、お鈴ちゃんの飯に道を開かれて変わっていく。なんて素敵。 四郎さんも、続編には登場するよね。 早く読みたい。2022/11/17