内容説明
自分の人生を裏切らずひた向きに生きた人々。かれらは目に見えないなにかを「踏み越えて」生きた。作者たちもまた「踏み越えた」人々であった。
目次
第1章 いまだ出ぬ月の光を―芥川龍之介作『奉教人の死』
第2章 いよよ華やぐいのちなりけり―岡本かの子作『老妓抄』
第3章 なぜ斬ったか―山本周五郎作『大炊介始末』
第4章 わが身の阿呆がをかしうて―宇野千代作『おはん』
第5章 未完の情熱に生きる―松本清張作『或る「小倉日記」伝』
著者等紹介
立野正裕[タテノマサヒロ]
1947年、福岡県生まれ。岩手県立遠野高等学校を卒業後、明治大学文学部(英米文学専攻)に進み、さらに同大学大学院(文学研究科修士課程)を修了。専攻は近現代の英米文学だが、日本の戦後文学についても評論活動をおこなう。一貫して現代における非暴力主義の思想的可能性を探求し、その問題意識から近年は第一次大戦期の「戦争文学」を「塹壕の思想」として新たにとらえ直そうと試みる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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