内容説明
日本人男性だった前世の記憶を持つアンドリムは、自身が生きているパルセミス王国が乙女ゲームの世界だと気づく。彼は前世の知識と現世で持って生まれた才を活かし、悪役である己の運命に打ち勝つとともに、ライバルでもあった騎士団長のヨルガを番とすることにも成功した。しかし、自身の一族には短命の呪いがかけられている。アンドリムはこの呪いを解く術を探しに、東にある国・ヒノエに赴こうと計画を立てていた。折良く、ヒノエから国王の娘だというシラユキ姫がパルセミス王国を訪ねる。なんでも国を脅かす八岐大蛇を討伐するために、ヨルガに力を貸してほしいとのこと。アンドリムはヨルガと共にヒノエを目指すが―!?
著者等紹介
十河[トガワ]
2019年、アルファポリスBL小説大賞にて「毒を喰らわば皿まで」で読者賞を受賞。2020年、同作品が出版に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しましまこ
26
嬉しい続編!美貌の大賢者さま、短命の呪いを解くためにヨルガと共にヒノエ国へ。旅立ちを目前に控えた二人の前に現れたのは、ヒノエ国の運命を賭けた使者…今回も読み応え十分、驚愕のラスト!麗しのアンドリムさま最高です!道中ナチュラルにイチャイチャする二人に頬が緩むよ、面白かったー!2021/07/18
ことな
16
あそこまで美しく終わった前作に続編があるなんて最高。ゲーム世界への転生者が、ED後の世界を生きる設定がもうオモロイ。1巻でサラッと終わらされていた話を深掘りしてるのも嬉しい。新たな魑魅魍魎、お家問題に、伝記、宝、これでもかと見せ場をくれるのは流石。ED後の世界なのに、アンリが語り過ぎな違和感は否めないけど、ヒノエ王の願いを想像しながら読み進めるのが楽しい。前作以上の驚きはないだろうと思いつつも、アンリの欲しかったものは巻末に相応しくて拍手。国を離れているので前作の役者が揃わなくて寂しい 2023/07/12
フキノトウ
14
前作の勢いや熱さが少し無かったかな。題名の回収が見事。2022/05/28
まりもん
13
前巻のラストでさらっと書かれていた呪いを解く鍵を握るヒノエに向かう話。他国でも一目置かれる賢者扱いのアンドリムの先読み力は群を抜いているなぁ。嫉妬するヨルガはちゃんと御褒美貰うんだ。2024/10/18
RIN
10
悪の元宰相アンドリムによる謀略の無双劇場。アスバル家の呪いを解く旅に蔓延るヒノエ国の跡目争いと、使える駒として手に入れた新たな友好国。若者達は程好く無知で都合よく賢しい。前作以上によく練られた話だったが、こうも上手く行きすぎると美しい顔も屈辱に歪ませたくなる。BLなので男同士の濡れ場も多く嫌悪感もあるだろうが、この作品は男性にこそ読んで貰いたい。つまらない矜持に縛られた温い小説界に痛烈な一石を投じる作品だと思う。毒することを躊躇わず使えるものは己でも使う。地獄など恐るるに足らず。全ては愛するヨルガの為に。2021/09/28