内容説明
放送作家の誠太郎は、亡くなった祖父が戦時中のビルマで慰安婦の死に関与したと知る。真実を求めて奔走するが、見えざる力で歴史の闇に飲み込まれる…日韓問題の闇に迫る問題作!
著者等紹介
宮内見[ミヤウチミ]
1965年神戸市生まれ。同志社大学文学部卒。大阪の放送作家・新野新に入門。見と命名される。ラジオ関西「真夜なかんかん」で放送作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
すしな
53
014-24.予備知識なく読み始めたのですが、かなり踏み込んだ内容でした。ビルマに出征した祖父の手記をもとに、現代と戦時中を交互に行き来する形でビルマでの激戦を描いているので、それだけでも十分楽しめたのですが、後日談がさらに感情をゆさぶられる内容になっていました。本筋ではないのですが、戦争の最前線でいかに正しく生きるか?という事についても考えさせられるところも多かったです。あと、日韓の仲が悪くなると得をする国があるというので納得しました。2024/02/08
Comit
49
PrimeReading~遺品整理をしていた際に見つけた祖父の手記に登場する女性は従軍慰安婦で、祖父が彼女と恋愛関係にあったことから物語は始まります。これは…外で読んではいけないやつですね。特に終盤は涙やら鼻水やらティッシュ必須です😭色々な事があったと思います。生き残った戦後も過去に苦しみ、誰にも話せないまま、生きた人がいます。本書は、戦争という過去を認め、より良い未来に繋げるために今を生きる人ができることを、今までと違う形で提案してくれました。とても勉強になる一冊でした。2023/04/23
はる
35
ラストは衝撃的で涙が出た。意図せずして最近読む本がだいたい戦争ものか慰安婦問題なのでタイミングバッチリでした。 私には恋の物語というより、戦争の悲惨さ、事実の捻じ曲げ問題提起に感じました。2023/08/24
禅
29
ビルマの戦場で兵士と慰安婦の恋物語。祖父の恋路と慰安婦問題とのギャップ。現代と過去、交互に軽快なテンポで物語が進む。これがデビュー作らしいが既に傑作。鳥肌が立つラストで面白かったです。2023/09/26
鈴木拓
29
人間に生きる力を与えてくれるのは希望だろう。戦場であればそれはことさら必要なものだったのではないかと想像する。ミャンマーでの絶望的な戦線で命を繋ぐことができたのは、そこに希望があったからかもしれない。一方で、従軍慰安婦問題がなぜ戦後ずいぶん経ってから捏造されてきたのかについては、ここで描かれているものに近しい事実があったのではないかとも思う。政治利用された過去が、正しく再認識されることを願うばかりである。2023/09/06
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