内容説明
哲学・科学の「知」も宗教の「知」と同じく原生命や神性への没入・結合を求めている。ルター、ヘーゲル、ニュートン…第三巻「近代篇」では、「生きる知恵」によって新たな市民社会を形成し、科学技術の進展をもたらした人間が、近代国民国家という神話をめぐって翻弄されるまでを描き出す。「生きる知恵」を記述しながら同時代に応えようとした哲学史、シリーズ全三巻完結!
目次
第1章 中世から近代へ―新しいものの芽生え(イタリア・ルネサンスとヒューマニズム;ルネサンス期の哲学;ルネサンス期の科学―レオナルド・ダヴィンチの科学精神;宗教改革とその意味;アルプス以北・ヨーロッパのヒューマニズム精神―エラスムスとトマス・モアー)
第2章 近代科学の成立―科学の代表的人間群像・ガリレイとニュートンを中心として(コペルニクス的転回;ガリレイと力学;ニュートンと近代的自然観の成立;ボイルと近代実験化学)
第3章 近代哲学への道―経験の哲学(ベーコン)と理性の哲学(デカルト)(フランシス・ベーコンとイギリス経験主義;デカルトと近代哲学の成立;近代国家観とホッブス;合理論の展開―スピノザとライプニッツ;繊細の精神とパスカル)
第4章 近代市民社会の成立とその思想―自由啓蒙思想家たち(イギリス啓蒙思想―その市民社会の性格;フランス啓蒙思想―そのフランス大革命への結集力;ドイツ啓蒙思想―その後進性と観念論の性格;啓蒙期内部での批判的傾向)
第5章 ヨーロッパ的教養の観念的統一―カント、ヘーゲルを中心として(近代哲学の確立者カント;ドイツ観念論哲学―フィヒテとシェリング;ヘーゲルの観念論的ヨーロッパ統一;ドイツ観念論哲学の性格とその背景)
著者等紹介
大槻真一郎[オオツキシンイチロウ]
1926年生まれ。京都大学大学院博士課程満期退学。明治薬科大学名誉教授。2016年一月逝去。科学史・医学史家
澤元亙[サワモトワタル]
1965年生まれ。現在、明治薬科大学・防衛医科大学非常勤講師。博物誌・医学書の古典翻訳に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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