著者等紹介
芥川龍之介[アクタガワリュウノスケ]
1892~1927。東京都出身。日本近代文学を代表する作家の一人。『羅生門』(1915)をはじめ、夏目漱石に絶賛された『鼻』(1916)など数多く作品を残し、今もなお日本をはじめ世界中の人々に読み続けられている。1927年『河童』などを発表した後、「ぼんやりした不安」を理由に田端の自宅で自殺。35歳没
田中伸介[タナカシンスケ]
絵本作家。イラストレーター。1964年熊本県生まれ。会社員、漫画家アシスタントを経て独立。『しろ(原作:芥川龍之介)』(みらいパブリッシング)は、「第3回絵本出版賞」で審査員特別賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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☆よいこ
78
絵本。芥川龍之介の短編「白」を底本として、一部用語をわかりやすくして絵本にしたもの。イラストの構図がダイナミックで面白い。▽仲良しのくろさんが「いぬごろし」に捕まるのを見捨ててにげたしろは、必死に逃げる間に、真っ黒な姿に変わってしまった。飼い主にもわかってもらえず、しろは野良犬になった。黒くなった自分の姿を見る度に仲間を見捨てたことを思い出すしろ。ある日、子犬を助けたことから、しろは変わっていく▽かっこいいストーリー2020/09/13
けいぴ
49
犬のしろは、犬ごろしに狙われている仲良しのくろを助けることができずに怖さのあまり逃げてしまう。主人の家に逃げ帰るが、体が黒くかわっていてしろだとは分かってもらえない。主人の家を離れたしろは身の危険を省みず、人々を次々と救う。しろの行動はそんなにも罰を受けるべきものだったのか、、、あんまりだ。2021/09/26
とよぽん
45
大の仲良しの犬、くろを「いぬごろし」から救うことができず逃げてしまった「しろ」。真っ白だった毛が全身真っ黒に。臆病でくろい自分を殺すために、しろはあらゆる危険の中へ飛び込んで数々の人命を救った・・・。芥川原作『白』をもとに、田中伸介さんが描いた絵本。図書館にリクエストして購入してもらった。2020/10/26
gtn
33
後悔を勇気に昇華させた「しろ」とは程遠い生き方をしている自分を恥じる。2021/10/19
ヒラP@ehon.gohon
33
鉛筆で描かれたモノトーンの絵に驚かされました。 芥川龍之介にこのようなお話があることも、始めて知りました。 少し時代的に古さも感じましたが、くろになってしまったしろの苦悩と、懸命な行動に圧倒されました。 色が無いからこそ、しろの気持ちに寄り添える絵本ですね。 でも、友だちを見捨てたという後悔で、しろの心の黒は消えないのかもしれません。2020/06/15
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