内容説明
東京下町にひっそりとある、居酒屋「ぼったくり」。名に似合わずお得なその店には、旨い酒と美味しい料理、そして今時珍しい義理人情がある―全国の銘酒情報、簡単なつまみの作り方も満載。旨いものと人々のふれあいを描いた短編連作小説、待望の文庫化!
著者等紹介
秋川滝美[アキカワタキミ]
2012年4月よりオンラインにて作品公開開始。2012年10月、「いい加減な夜食」にて出版デビューに至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
239
こんなアットホームな居酒屋いいよね。作中にでてくる日本酒は、4本呑んでたわ。いずれもリーズナブルな日本酒で美味しいですね。メニューもいいですね。今、通ってる馴染みの居酒屋を大事にして、通いたいと思っちゃうわ。物語はというと、要さんは何者なんだ。そして、シンゾウさんの気配りが粋だね。シンゾウさんと仲良くなりたい。物語の世界だけど、居酒屋ぼったくりに通います。とんでもないシリーズに手を出しちゃったよ。ああ、めちゃめちゃ日本酒が呑みたくなるわ。呑兵衛にはたまらないシリーズだね。2020/05/26
むーちゃん
139
ハートフル。ホッコリします。こんなお店ありそうでないんですよね☺️ 二巻以降も読みたいです。わかる人はわかると思いますが、日刊ゲンダイの 止り木ブルース の爽やかバージョンかと笑笑 2020/01/16
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
139
前からタイトルが気になっていて、文庫化を待って読みました。亡き両親の後を継いだ二人の若い姉妹が切り盛りする居酒屋「ぼったくり」。カウンターと小上がり。常連さんで程よく埋まり、贅沢ではないけど、心のこもった料理を良心的な値段で提供するそんなお店。もう近くにあったら週に二度は通ってますね。お話の中で出てくる料理も美味しそうだ。ドラマ化されたそうだけど、確かにほのぼのとしてホームドラマ向きかもしれない。正直言ってもうちょっと心を掴む何かが欲しい。軽く読むにはいい感じだけど、次を読むかというと、もういいかな。★★2018/05/28
へくとぱすかる
138
一気読み。下町は人情の町といわれるが、居酒屋という場所には、とりわけ心のふれあいが生まれるようだ。こんな店があったらなと、読み終わったあとに、静かにしみいるように思わせてくれる。「ぼったくり」とは、あんまりな店名だと思うけど(だからこそ今日まで読まなかったのだけれど)、理由がわかってみれば、これは照れくささをごまかす心意気だと納得できる。なんだかんだあっても、常連さんが新しくやってきてくれるのがその証拠。悩み事相談専門みたいだが、美音さんだって悩みながら、お客さんに助けられる日々でもある。それでいい。2021/04/18
佐々陽太朗(K.Tsubota)
132
文学小説としての完成度や味わいはともかく、七編の短編それぞれに美味しそうな酒肴と酒が出てきて、左党にはなかなか魅力的だ。第一話にでてくる「卵黄の味噌漬け」など私も作ったことがあるが、出てくる酒肴はどれも簡単にできて、しかも美味しいであろうものばかり。酒は敢えてプレミアムがつくような銘柄を避けて紹介している。作者の秋川さんはなかなかの左党とみた。2018/05/31