内容説明
1990年11月31日から12月2日にかけてカリフォルニアのオーハイで開催された、連続5セッションから成るセミナーの録音を書き起こし、ボーム自身が編集。“システムとしての思考”の構造・性質・本質を、参加者たちとのQ&Aを通して探究し、それが人類が直面している危機にどのように関わっているのか、解決への糸口はあるのか、等々について、“ダイアローグ”や“自己知覚”を含む様々な角度から懇切丁寧に解説している。
著者等紹介
ボーム,デヴィッド[ボーム,デヴィッド] [Bohm,David]
1917年、ペンシルベニア州ウィルクスバリで、ハンガリー系の父サミュエル・ボームとリトアニア系の母のユダヤ系家庭に生まれた。ペンシルバニア州立大学、カリフォルニア工科大学、カリフォルニア大学で学ぶ。1943年に博士号を取得、1961年以来、ロンドン大学の理論物理学科の主任を務める。1992年に逝去
大野純一[オオノジュンイチ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roughfractus02
6
独自の量子論的自然観を人間の思考領域へ拡張した著者は、晩年ダイアローグと共生を強調したという。著者は「延長」(空間)をアプリオリに設定し、不変の個をその中心に置くデカルト的システムに留まる人間の思考を批判する。量子論では粒子を可滅的であり、電場なら+/-の電荷が誘引し反発をしつつ場を作る。この拡張として著者は可滅的な人間同士が場を作る力としてダイアローグに着目し、個を中心とした固定的対立でなく、ダイアローグし続け、共生していく動的な世界を構想する。本書は多くの質問者と著者のQ&Aによるダイアローグで進む。2022/02/23