内容説明
帰宅部志願の笠縫香深は、入学した女子高が『部活動参加が義務』と知り愕然とする。せめて幽霊部員となって、立派に放課後家でダラダラらいふをしようと、活動をしていない部を探すことにした。入部届の提出〆切日に訪れたのは『寺巡り部』。どう見てもあやしい部室の扉。開けてはいけない雰囲気をかもしだしていたが、時間もないので仕方なく扉を開けてしまう。そこにいたのは…。寺社にしか興味のない部長。いつもにこにこ何考えているのかわからない副部長。修行僧のような新入部員。ちょっと普通じゃない部に入ってしまった普通の女の子が、彼女たちとともに日々寺社巡りをする女子高生の日常系物語。いざ開幕です!
著者等紹介
森田季節[モリタキセツ]
1984年生まれ。小説家。寺社仏閣巡りが趣味で、寺社ブログ「森田電鉄」にて日々各地の寺社を紹介している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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ヱロ本Gメン
19
面白かった。中高で鎌倉研究会、大学で史蹟研究会に所属していたので気持ちが痛いほどわかる〜!史蹟巡りは体力勝負、昼飯抜きは当たり前、自分だけの景色に出会えた時の達成感。本当よくわかる。続編熱望。遠出もいいけど近場もいいよね♪鬼瓦ネックレス欲しい!2016/04/23
ラノベの王女様
9
イラストとマンガだけ見て『けいおん!』的なノリで寺社巡りをするのかな、と想像してたけど、実際の中身は「お嬢様学校のエリート女子高生達による、文化資本の大お披露目会」だったわ。香深のギャップ激しすぎよ!マンガだと「ふええ」なんて言ってるから平沢唯みたいなおとぼけキャラにしか見えないのに、地の文では「私は放課後に労働することに耐えられなかった」「私が劉備なら三顧の礼をもってしても味方に引き入れようとするだろう」と、文化資本の高さが滲み出るセリフばっかり!まあ、作品自体はそこそこ面白かったわ。2016/04/21
蝉海
6
――不動明王を召喚する日常系って、今までどのくらいあっただろうか? 日常系orだらだら部活系かと思いきや、最初の数ページで主人公のダウナーで鋭い独白が私の腹筋を殺しにかかってきた。入部してからは仏教ネタ・寺社仏閣ネタが入り、完全にフルスロットル。公共の交通機関では迂闊に読めない。総括すると、著者の圧倒的な教養と経験と技術がものをいう力作といえよう。ファンなら購入してまず損はない。あと隠し要素として、両著者の共通の趣味であるヴィジュアル系ネタが仕込まれているのも○2016/05/02
SEGA
6
ユルそうだと思って入ったところが、実はマニアックかつハードな部活に戸惑う一般人の主人公ですが、教養も感受性もあって悟りの境地へ至る(⁉︎)お話。何処となく鉄子の旅に似ています。登場する史跡などをネットで検索しながら読むと更に楽しい(と思います)。寺社好きのみならず、森田季節好きな方にはおすすめしたい一冊。売れそうな気はしませんが。2016/04/24
芳野伊月
5
面白かった。女子高生がただ寺巡りしてるだけなのですが、女の子たちのキャラだったり、ユーモアのある文だったり、主人公の絶妙な立ち位置と成長(?)だったりで楽しんで読めました。やはりこの最終話と、最後の挿絵ですよ。良い。2016/04/27