内容説明
1000余の清張作品に、明治を通史的に描いたものはない。本書は、一連の明治ものを読み、松本清張の「明治」認識をたどる初の試みである。そこに、史料・時代・人間を鋭く見抜く、清張の「推理眼」「史眼」を見る。
目次
第1章 明治の序幕―『幕末の動乱』を読む(コメ依存からカネ支配への激流;吉宗原理主義と田沼現実主義 ほか)
第2章 古代律令制のコピー―明治維新の発想(「宰相論」から見た維新政権論;「征韓論」分裂―西郷の敗北、大久保独裁への道 ほか)
第3章 「軍権天皇」の復活、民権暴圧―明治国家の設計(「天皇の軍隊」づくり―軍人勅諭の策定を追う)
第4章 明治の希望―民権・民党の弱点にもメス(初期議会前後の攻防―土佐派議員らの裏切りと兆民;士族出身指導者の限界を糾明する ほか)
第5章 「蒼古たる殿堂」と化す帝国大学―明治の黄昏(ナゾの多い哲学館事件)
第6章 「万世一系」天皇制の探求(「万世一系」の虚実と支えた構造の探求;明治以後、天皇制は変わった―「軍権」への変質と破綻を追う ほか)
第7章 清張の戦争観―戦争への道、「生き残ったもの」の苦悩を描く(日清戦争は「朝鮮問題」―京城事変の位置づけ;「生き残ったもの」の悲しみ、苦悩、怒りを描く―その戦争は、生活人にとって何だったのか ほか)
終章 清張の「推理眼」と「史眼」(初期作品についての評価を洋;清張の歴史小説論、推理小説論 ほか)
著者等紹介
牧俊太郎[マキシュンタロウ]
フリー・ライター。1941年、大阪市生まれ。府立寝屋川高校・大阪市立大学文学部2部卒業。大阪府職員・大阪民主新報編集長など歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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