内容説明
中国・韓国・アメリカが、みな反日と言う前に―。今の日本に筋を通し、堂々めぐりに終止符を!近代400年の歴史を踏まえ、俊英二人が提起する「祖国再生の物語」。
目次
第1部 世界は物語である―日本の現状診断(ゴジラとコールリッジ;経済は思想を必要とする ほか)
第2部 改革神話はどこから来たか―近代世界の軌跡(理性と進歩への信頼;合理主義を生み出したもの ほか)
第3部 日本の理念的混乱―明治維新から敗戦まで(「インコヒーレント・テクスト」とは何か;文化と文明の違い ほか)
第4部 保守はゴジラを夢見るか―未来のためのツジツマ(戦前と戦後は別物か;日本の華麗なる負け惜しみ ほか)
著者等紹介
佐藤健志[サトウケンジ]
1966年東京生まれ。1989年、戯曲『ブロークン・ジャパニーズ』で文化庁舞台芸術創作奨励特別賞を受賞する。小説『チングー・韓国の友人』を発表後、作劇術の観点から時代や社会を分析する独自の評論活動を展開
中野剛志[ナカノタケシ]
1971年、神奈川県生まれ。評論家。東京大学教養学部卒業後、通商産業省(現産業経済省)に入省。エディンバラ大学より博士号取得(社会科学)。専門は経済ナショナリズム。2011年~12年春まで京都大学大学院工学研究科准教授。イギリス民族学会Nations and Nationalism Prize受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ドクターK(仮)
4
佐藤氏のポップカルチャーをはじめとする文芸的な知見と、中野氏の政治経済などに関する社会評論的な知見が見事に融合し、刺激的な対談になっている。近代、あるいは戦後の日本のあり方に筋を通すためには、この二人に代表されるような芸術的かつ政治的なセンスを合わせ持たなければならないわけで、極めて高度な要求といえる。しかし、そこまでしなければ、辻褄の合わないまま長きにわたり歴史を歩んできた日本に、新たな筋を通すことはできないということを痛感した。2014/05/05
きな
0
「文明の過剰はあるが、文化の過剰はない。」文明と文化のちがい、とても興味深かったです。2015/01/30
ベロニカ
0
政治だとか会社だとかの至る所で聞く「ヴィジョン」という言葉にはピンとこなかったけれど、この本を読んで「物語」という言葉で置き換えてみればしっくりきた。人の集まるところに神話有り。2014/05/21
ノラえもん
0
日本の現状について物語に注目して解析していくというところで納得できる点が多かった.ただ,佐藤さんのパートが圧倒的に多くもっと中野さんのパートがあってもよかったかなと思います.2014/05/15