内容説明
日本では国を挙げて西洋文化を摂取するのに懸命だったと思われる明治の時代に、オーストラリアのメルボルンで日本語教育に献身した日本人がいた。その人の名は稲垣蒙志。稲垣がメルボルン大学で日本語を教え始めたのが、1919年。しかし、国際交流基金の記録を見ると、メルボルン大学で日本語を教え始めたのは1965年となっている。彼の日本語講座は、正式の記録から完全に抹消されている。どうしてそんなことになったのだろうか。これは稲垣蒙志と、蒙志を支えた妻のローズの実話に基づくフィクションである。
著者等紹介
久保田満里子[クボタマリコ]
1948年広島生まれ。広島大学卒業後、名古屋市立の中学校で4年間社会科を教えた後、1975年よりオーストラリア在住。モナシュ大学で修士号、博士号を取得。メルボルン大学で17年間日本語教育に従事し、2008年に退職。退職後、執筆活動を始める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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