内容説明
戦争が終わっても、再び祖国の土を踏むことのなかった父。なぜ、父は死ななければならなかったのか。著者にとっての戦後はその「理由」と「意味」を問い続ける日々でもあった。―ふるさと「大連」への限りない追慕と、そこで理不尽にも人生を閉ざされた父へのオマージュ。抑制の利いた「優しみ」に溢れる美しい文章は、とりわけ胸を打つ。
目次
詩 哀しみ
父の思い出
警察官だった父
一等大将
黒石礁
卵かけ御飯
拾った詩
愛とは…?『白い犬とブランコ』(莫言著)に思う
映画「硫黄島からの手紙」を観て
詩 卓球
著者等紹介
前田澄子[マエダスミコ]
1935年、中国大連市生まれ。主婦。満州で死別した父親をテーマにした小説、エッセイを書き続けている。なにげない日常を、人間の心の襞に触れるような深みのある繊細な作品に仕立て上げるのを得意としている。千葉市在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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