内容説明
16世紀、キリスト教伝導に尽くし、聖人に列せられた聖ザビエルは、日本人の持つ優れた素質について密着し、身をもって証明してくれた人物である。アジア宣教の旅をテーマにシナリオ形式で聖ザビエルの半生を追う(『聖ザビエルとアンジロウ』)。主人公モラエスは、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)と同じように日本を愛し、日本の姿を広く海外に紹介した作家文化人である。風貌や文化の違いにとまどいながらも、心身ともに日本人であろうとした彼の生き様を描く(『他郷ながら故郷―モラエス慕情』)。近松門左衛門の傑作「百合若物語」が、実はギリシア、ホメーロスの「オデッセイア」の翻訳ではないかと思われるほどの共通性があるという、驚きの議論を取り上げている(『百合若物語はどうしてできたか』)。
目次
シナリオ 聖ザビエルとアンジロウ
シナリオ 他郷ながら故郷―モラエス慕情
評論 百合若物語はどうしてできたか―ギリシア神話と日本の伝説の接点(はじめに―坪内逍遙説;幸若舞;近松門左衛門作『百合若大臣野守鏡』;新村出説―カモンイスとの出会い;カモンイスから近松へ;「父と子」のテーマ)
著者等紹介
モリテル[モリテル]
本名:森本義輝。大正15年大阪市に生まれる。教員生活の後、執筆活動に入る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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