内容説明
自己が自己であるということは一般に思われているほど自明な事実であろうか。なるほど、日常生活において、自己とは何かという問いはほとんど不要であり、あらためて主題化されることはないだろう。だが、ひとたび哲学的反省が作動するや否や、自己の自己性はその自明性を剥奪され、謎と化す。自己が自己であるためには、自己ならざるもの、すなわち他者の存在が前提されていなければならない。他方、他者が他者として存するためには、他者ならざる自己が存していなければならない。換言すれば、自己の自己性と他者の他者性とは或る相関関係のもとに成立しているということである。まさにこの自己を自己たらしめ、他者を他者たらしめるところの根拠が奈辺に存するのか。身体を導きの糸としてこの根源的な相関関係を解明していくのが本書の狙いである。
目次
1 自己と他者(他者としての身体;身体と時間)
2 言語と無意識(他者としての言語;感覚、欲動、原意識)
3 美的経験(身体と構想力;奥行の形而上学)
4 原身体(超越論的間身体性とは何か)
著者等紹介
坂本秀夫[サカモトヒデオ]
1955年東京に生まれる。1978年慶応義塾大学文学部卒業。1986年東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了。現在、大東文化大学文学部非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
-
- 和書
- これからもそうだ。