感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
松本直哉
23
場所の呪いと人の呪い。そこに住む者はもはや笑いを忘れて硬直しているかに見える、伝統的価値観を体現する旧家ロスメルスホルム。白い馬の表象によって生きる者を死の方に招き寄せる、自殺した先妻ベアーテ。当主のヨハネスは、この二つの呪いから自らを解放しようと苦闘するのだが、もがけばもがくほど泥沼に足をとられる。ヨハネスと同居する若い女性レベッカが、彼を救い出す役割を果たすかに見えても、彼女自身も深い闇を抱え、ファム・ファタール的な一面もある。旧弊な価値観から自由になっても、そこに広がるのは索漠たる荒野なのだった。2023/09/03
ピラックマ
0
ちょっとずつ何かがこぼれ落ちていって、瓦解していく2011/07/06