内容説明
自然主義からの転向作家花袋が描いた世界は通俗小説「『女』の物語」だった。近代の小説から現代小説へ、「文化」をキーワードにして、その過程を斬新な分析によって解明する。
目次
思想小説『残雪』論―反描写の時代
宗教小説『山上の雷死』論―大正期の文芸
反ルポルタージュ文学『東京の三十年』論
ドキュメンタリー小説『再び草の野に』論―映画技法による構成
花柳小説『春雨』論―『百夜』のプレテクストとして
通俗小説「『女』の物語」論―“躾糸”と「私小説論争」と
本格小説『廃駅』論―「廃墟」論でなく、生誕物語として
既成作家の大震災―田山花袋と長田幹彦の場合
花袋本の装丁―紀行文集を軸として
著者等紹介
沢豊彦[サワトヨヒコ]
筆名、村椿四朗。1946年東京都に生まれる
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