内容説明
第二次世界大戦末期イタリア。小村で過ごす少女マーラのもとを、兄の“同志”だったという青年ブーベが訪れる。まっすぐで素朴なブーベに次第に惹かれていくマーラ。彼もまたマーラの美しさに魅せられていた。離れた地に住む二人は、手紙のやり取りをするようになる。やがて二人は婚約するが、離れ離れの暮らしは続いた。ある夏の日、何の前触れもなく、ブーベが現れた。ブーベに起きた事件とは―そしてマーラの運命は―愛を信じた女性の、ひたむきな姿を描いた切ないラブロマンス。イタリア文学の最高峰・ストレーガ賞受賞作。
著者等紹介
カッソーラ,カルロ[カッソーラ,カルロ][Cassola,Carlo]
1917‐1987。ローマに生まれ、1930年代終わりごろ執筆を開始。第二次大戦の中断期をはさんで、50年代~70年代には、モラヴィア、カルヴィーノらに伍して文学界に一時代を画した。長らく居住したトスカーナの地に構想を得つつ、人と生活を抒情豊かに描写した作品を数多く残した。著書に、「ブーベの恋人」(1960年、ストレーガ賞受賞)、「兵士」(1958年、サレント賞受賞)など
菅谷誠[スガヤマコト]
1949年、横浜市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。朝日新聞者のカメラマン、記者、映像担当編集者などを経て98年からフリー(フォトグラファー、ライター、翻訳者)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。