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内容説明
ヨーロッパが形成した日本のイメージは、いわば彼らがこうあって欲しいという願望に基づいた像であり、それこそがジャポニスムを性格づけている。ヨーロッパに限らず、異文化を知ろうとする時、自分に必要で役に立つものを集めるのは、当たり前のことだからである。日本だけが例外であるわけがない。19世紀末のヨーロッパが選んだNIPPONとは?第19回ジャポニスム学会賞受賞。
目次
1 ジャポニスムとは何か―序にかえて
2 ジャポニスムと自然主義
3 モネの『ラ・ジャポネーズ』をめぐって―異国への窓
4 A travers―モネの『木の間越しの春』をめぐって
5 モネのジャポニスム―自然と装飾
6 ゴッホと日本
7 クリムトと装飾―ウィーンにおける絵画のジャポニスム
8 葛飾北斎とジャポニスム
著者等紹介
馬渕明子[マブチアキコ]
神奈川県に生まれる。1972年東京大学教養学科卒業。東京大学大学院、パリ第四大学大学院博士課程で美術史を学ぶ。東京大学助手、国立西洋美術館主任研究官、青山学院女子短期大学助教授を経て、現在、日本女子大学教授。『ジャポニスム―幻想の日本』で、第19回ジャポニズム学会賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なかち
1
ゴッホは浮世絵を模写、娘に夢中、お菊さんがお気に入り、南仏を日本だと思う。モネは広重の構図を踏襲。フェノロサは浮世絵人気に反感。月刊誌『芸術の日本』(一八八八~九一)。カフェ・ゲルボワの連中が浮世絵を好きだった。日本は動物と自然物の区別が曖昧。北斎が一番人気。東洋は人間が景色の一部、植物も主題になる。立ち姿の女性の絵、初めて一般人が主題。前景に植物や物を置くすだれ効果が真似される。浮世絵の延期法は奥で折れ曲がる。ウィーンでは日本の装飾模様が真似される。波を生き物のように描く北斎。2011/07/12
Meroe
1
ジャポニスムについて,網羅性はないが入門にはいちばんいいかも。平易かつ刺激的。ゴッホの章は泣けた。文庫か新書になっていれば買うのに。2009/12/15