目次
第1章 セーヌの川舟とパリのエンブレム
第2章 パリとセーヌの糞尿譚
第3章 セーヌの水に恋い焦がれ続けたパリ
第4章 パリとセーヌの新しい緑
第5章 セーヌの「腕」を太陽の下に―パリジャンの奮闘
第6章 セーヌを虐めるパリ―運河に蓋
第7章 セーヌに水没したパリ
第8章 観光都市パリを支えるセーヌの力の源
第9章 パリを浮かべるセーヌが生まれ出るところ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
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著者は建設省を退官後、世界水フォーラムの事務局長を務めた人。本書は上下水道の治水といったユニークな観点からパリとセーヌを語ったもの。パリ市の紋章は、中央にセーヌに浮かぶ帆船(1艘のものと複数のものと両方有)が描かれ「たゆたえども沈まず」(あるものとないものの両方有)と刻まれている。ことほどさようにパリとセーヌは切っても切れない関係にあったし、今もそうだ。ところが、古代にはともかく、美しいセーヌを見ることができるのは、ごく近年のこと。長らくセーヌには汚水が流れていたのである。 2022/03/12