内容説明
近代日本の文学者は、被差別部落の実態をどのように捉え、いかに理解したか。人権擁護問題、解放運動を考えるうえでの必読基礎文献。新たな視点から部落問題を分析する。
目次
はじめに―研究史に代えて
家庭小説と被差別部落―村井弦斉『川崎大尉』について
明治三〇年代の文芸における“差別”―泉鏡花の場合
島崎藤村『破戒』の同時代評
白柳秀湖『駅夫日記』を中心に
大衆文学と被差別部落―村上浪六『いたずらもの』試論
麻生久『非人の親子』をめぐって
水平社宣言と西光万吉の戯曲
西光万吉『天誅組』四部作を読む
西光万吉の太平洋戦争開戦時の戯曲二篇
プロレタリア文学と部落問題―明石鉄也『火線』その他
青鞜社の女性と被差別部落―富本一枝(尾竹紅吉)と『貧しき隣人』
被差別民ともう一つの維新史―石川淳『至福千年』を読む
大西巨人と部落問題―『黄金伝説』と『牛返せ』を中心に
著者等紹介
住田利夫[スミダトシオ]
1931年広島県府中市に生まれる。1954年東京大学文学部国史学科卒業。同NHK入局、主に国際放送(ラジオ日本)の番組制作に従事する。1985年NHKを定年退職。以後、部落問題、特に部落問題文芸の研究に携わる
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