内容説明
これでキリンの長首もクジャクの雄の尾羽も説明がつく!本書は、今西錦司が発見した「動物種社会」には、各々独自の“交配権ルール”(=MPR)があることを新たに指摘。MPRに基づく“種社会選択”が、集団遺伝学にも適合する進化の動因となることを解明した。本書は今西進化論を再構築し、進化論(『種の起源』)の全面改定を迫る。今まさに『種の起源』は、“種社会の起源”の発見と“種社会選択”という進化メカニズム論の出現で全面崩壊の時を迎えた。今西錦司生誕100年、没後10年の西暦2002年に放たれた、科学・思想界に激震をもたらす書。
目次
第1部 今西進化論は“進化”して復活する(一九四一年、今西“科学としての生物学”への志;今西“生物主体性理論”とその難点;再論、自然選択説は科学理論にあらず;今西“選択の自由”と“種社会選択”;キリン種社会に種社会選択説を検証する;今西の進化史観と“種社会の歴史”;“人間家族の起原”への埋没;人間中心主義の非科学性と今西の世界観;新今西進化論の提起)
第2部 ネオイマニシズム宣言―日本霊長類学会での発表(今西自然学再構築「ヒト生態史」種社会選択説提起;“種社会選択”のメカニズムとその起源)
第3部 『主体性の進化論』を科学理論に高める(“主体性”を“種社会ソフトウェア”と定義する;「ヒト生態史」の時代設定;「ヒト生態史」中史、活動恒常化への種社会願望;交配有利度による差異化と主体的“種社会の分岐”;結び―『種社会選択による種社会の分岐』)
著者等紹介
水幡正蔵[ミズハタショウゾウ]
1959年生まれ。84年の大学在学中より、独自の思想哲学を求めて研究を開始。以来今日まで在野にて研究生活を送る。88年に「ヒト生態史」理論に到達。92年に日本霊長類学会会員となり、学芸大会で最初の発表を行う
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