内容説明
本書の第1章は学習指導要領に対置して私たちの提案・主張をのべたものである。第2章は90年代指導要領の「新学力観」をめぐって活発になった「学力論争」への発言であり、事実上「受験問題解決力」「計算問題解決力」をもって数学学力としてしまう現状にたいする批判でもある。第3章は教材や授業、生徒たちの様子などについて書いたものを集めた。はじめの四つは91年から92年にかけて「授業づくりの周辺」と題して『数学教室』誌に連載したものの一部である。つぎの四つは生徒たちから学んだことを中心に書いたもの、最後の二つは表題のとおり「わかる」ことと「できる」ことをつなぐ小さな問題提起である。第4章は『数学教室』誌に発表した私の実践記録である。
目次
第1章 学習指導要領に対置して(新しい酒は新しい皮袋に;高校での数学教育の内容を考える;その数学観・生徒観問題あり! ほか)
第2章 これからの数学教育(功利主義をこえよう―文化としての数学を;“心”を大切に―高1の数学を考えなおす;自由の森学園の授業づくり―高校・数学の場合 ほか)
第3章 教材・教室・生徒の姿(直感的理解と数学的表現;タイルと展開・因数分解;「タイル図」から「表」へ―「手が考える」と「頭が考える」 ほか)
第4章 授業の記録から(生徒がつくった積分の問題;不思議な数列―「17番目の不思議」その後;等比数列でみる日本人口史 ほか)
著者等紹介
増島高敬[マスジマタカヨシ]
1940年生まれ。62年東京工業大学卒業。私立麻布高・中をへて85年より自由の森学園高中に勤務。2000年同校定年退職。現在同校および和光高校非常勤講師。数学教育協議会副委員長。全私研(2000年まで)・全国教研共同研究者
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