内容説明
1905年は科学史上最も忘れ難い1年である。この年にアインシュタインが執筆した5篇の論文の受理日は3月17日から9月27日までと短く、これほどまで実り豊かな6ヵ月を体験した科学者は他にはいない。これら5篇の論文のどれもが、いまだに物理学の研究の中心部に大変大きい影響を及ぼしている。本書は、この5篇の論文を発表順に追い、アインシュタインが1905年に行ったことはいかなることであり、どのようにして成し遂げられたのかを、その内容に即してまとめたものである。アインシュタインの研究の方法と思考方法に重点をおき、どのような考えに基づいて意志決定してきたのかを述べた。また、エピローグにおいて、1905年以後の一般相対性理論を含む後年の成果についても簡単に論じる。
目次
プロローグ 巨匠の基準 何故、アインシュタインなのか
3月論文―量子の革命的な論文
4月論文―分子の大きさ
5月論文―原子を“見る”
6月論文―時間と空間の融合
9月論文―最も有名な方程式
エピローグ 1905年以後の業績
著者等紹介
並木雅俊[ナミキマサトシ]
1953年(昭和28年)7月24日生まれ。東京都立大学大学院理学研究科博士課程中退。高千穂大学教授、世界物理年日本委員会副委員長、物理チャレンジ組織委員会副委員長など。専門、物理学一般(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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