クロマチン―エピジェネティクスの分子機構

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  • サイズ B5判/ページ数 282p/高さ 26cm
  • 商品コード 9784431710219
  • NDC分類 464.25
  • Cコード C3045

内容説明

一つの個体を構成する細胞は、すべて同じ遺伝子をもっている。それにもかかわらず、発現している(スイッチがONになっている)遺伝子が細胞によって異なるのはどうしてだろう。どうやって、適切なタイミングに適切な場所で適切な遺伝子が発現するのだろう。この制御の中心的役割を担っているのが、クロマチンだ。真核細胞の核の中で、遺伝子は、クロマチンというDNA‐蛋白質複合体となって折りたたまれている。そして、そのクロマチンの構造変換が、遺伝子発現のON/OFFを綿密に制御しているというわけだ。本書ではその仕組みを解説しながら、「DNAの塩基配列を変えることなく、どうやって遺伝子の機能を変換するか」というエピジェネティックな分子機構を考察する。転写反応の制御からクロマチン構造と制御機構まで説明し、遺伝子量補償を議論し、さらに染色体全体にわたる遺伝子発現の協調的な制御が必要なのはなぜなのか、という問題にまで触れていく。クロマチンによるエピジェネティクス制御を大きな視点から捉え、わかりやすく、そして詳しく解説した決定版。

目次

転写調節:共有した目的と共通する機構
真核細胞生物の転写:複雑さの問題
ヌクレオソーム:クロマチン構造の基本単位
ヒストンテイル:化学修飾とエピジェネティック情報
高次クロマチン構造と核編成
クロマチン環境下での転写
クロマチンのリモデリング装置
ヘテロクロマチン
遺伝子発現の長期的サイレンシング
細胞の記憶とインプリンティング
遺伝子量補償の分子構造

著者等紹介

堀越正美[ホリコシマサミ]
1956年群馬県生まれ。1980年東京大学薬学部卒業。1985年東京大学大学院薬学系研究科博士課程修了、薬学博士。米国ロックフェラー大学博士研究員。1989年米国ロックフェラー大学助教授。1992年東京大学応用微生物研究所助教授。1993年東京大学分子細胞生物学研究所助教授。1997~2002年科学技術振興機構(JST)創造科学技術推進事業(ERATO)。堀越ジーンセレクター(Gene Selector)プロジェクト総括責任者兼任。研究テーマは遺伝子発現制御機構論、生命現象制御機構論および生物進化制御機構論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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