内容説明
本書では、予測不可能な「複雑な系」について人類はいままでどのような思考で捉えてきたのか、ギリシア時代から現代までの変遷を明らかにし、現代科学の思考方法を展望する。物質、生命、脳、人工知能、人間社会の各分野における、多くの哲学者、科学者の考え方が歴史をたどって解説される。時代や分野を縦横に考察し、西洋の培ってきた機械的世界観である線形思考(=問題の解決を単一の原因に帰す考え方)から、非線形思考(=いくつかの原因を複合させる考え方)への転換を提唱し、学際化に向かう現代科学は何を解明するのか、科学と技術の協同は何をもたらすかを示す。
目次
第1章 序論―線形思考から非線形思考へ
第2章 複雑系と物質の生成
第3章 複雑系と生命の進化
第4章 複雑系と心―脳の進化
第5章 複雑系と人工知能の進化
第6章 複雑系と人間社会の発展
第7章 未来と科学と倫理に関するエピローグ