内容説明
物質は、ほとんど全ての科学・技術の基盤であり、この進歩は単に学術的な意義だけでなく、産業的にも重要な意義を持つ。本書では、この方面の研究の歴史も振り返りつつ、物質の電子状態を計算で明らかにするための基盤的な理論を詳細に解説し、そこに現れる基礎方程式を数値計算によって解くための技術についても、最新の研究のレベルまで解説している。この上巻では、まず興味深い物質と現象に関するこれまでの理論的研究を概観し、その上で、物質の電子状態を解明するための基礎になる理論が説明されている。特に、理論計算の基盤になる密度汎関数法や、計算の効率化と物理的抽象の形成に有用な擬ポテンシャル法について、詳しく解説されている。
目次
第1部 概論と歴史的背景(序;概観;理論の背景;周期性固体と電子のバンド;一様電子ガスと単純金属)
第2部 密度汎関数論(密度汎関数論の基礎;Kohn‐Shamの補助系;交換と相関の汎関数;Kohn‐Sham方程式を解く)
第3部 原子についての予備知識(原子の電子状態;擬ポテンシャル)
付属
著者等紹介
寺倉清之[テラクラキヨユキ]
東京大学名誉教授、北陸先端科学技術大学院大学特別招聘教授、東京工業大学特任教授、産業技術総合研究所ナノシステム研究部門研究顧問。大阪大学大学院基礎工学研究科博士課程単位取得退学。理学博士
寺倉郁子[テラクライクコ]
大阪大学大学院工学研究科博士課程単位取得退学。工学博士
善甫康成[ゼンポヤスナリ]
法政大学情報科学部ディジタルメディア学科教授。広島大学大学院理学研究科博士後期修了。理学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。