内容説明
本書は、数論的位相幾何学の初めての本である。結び目と素数、3次元多様体と整数環の類似に基づき、結び目理論と整数論の基本的な概念・諸理論の間の類似性を平行的な形で論じている。結び目理論と整数論の歴史を振り返るとき、今から約200年前のガウスの研究に両者の源泉の1つを見出すことができる。本書の目標も、ガウスから分かれたこの2つの道を現在の視点から見直し、両者の間に橋を架けることである。本書は、Arithmetic Topology(数論的位相幾何学)とも称される新しい分野の基礎付けを与えるものである。結び目理論、整数論、および幾何学と整数論の相互関連に興味をもち、勉強・研究している学生、研究者に薦められる書き下ろしである。
目次
基本群とGalois群
結び目と素数、3次元多様体と整数環
まつわり数と平方剰余記号
結び目と素数の分解
ホモロジー群とイデアル類群
絡み目群と分岐条件付きGalois群
Milnor不変量と多重べき剰余記号
Alexander加群と岩澤加群
トーションと岩澤主予想
結び目群と素数群の表現のモジュライ〔ほか〕
著者等紹介
森下昌紀[モリシタマサノリ]
1961年東京に生まれる。1986年東京大学理学部数学科卒。現在九州大学大学院数理学研究院教授。専門分野:数論的位相幾何学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。