内容説明
近年、地球規模の温暖化への対策が世界的に重要な課題となり、再生可能エネルギーの開発が進められています。その中で地熱エネルギーは出力が安定した発電が可能で、冷暖房用の熱源としても利用することができます。本書では、現在考えられている地熱地域の地質・水理・温度構造をはじめ、地下の調査方法、熱水や蒸気の取り出し方、発電方法や発電コスト、国内外の地熱発電所の開発状況、温泉や環境への影響、新たな技術開発、地熱開発に関わる国の支援や規制など、一般の方からよく聞かれる疑問を50の項目に分けて、これらに答える形で日本地熱学会の専門家が解説しています。
目次
1 地下の地熱エネルギー
2 地熱発電の基本
3 もっと知りたい!地熱発電
4 地熱発電と環境
5 政策コストと法律
6 地熱と社会
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くらーく
2
P.117の地熱資源量と、P.180の再生可能エネルギー導入の見通しで察するに、地熱発電はやってもなあ、と思いますわ。ベース電源として期待していたし、真山仁氏のマグマで楽しませてもらったけど、個別には良いだろうけど、ボリュームが無いし、時間はかかるし、確率性も考慮するし。国立公園等の環境問題は法律を変えれば、と思うけど、日本人の感情的な国民性からすると、電力より温泉(変えない事)を選ぶだろうし。 まあ、本書で分かった事は、思いのほか地熱発電の期待が小さいという事だったなあ。地震や火山が多いのに残念だわ。2022/12/24
1484h
0
日本地熱学会が編集しているためか、既存の地熱関係の本にくらべると読みやすい。ただし、火山に関する記載に限っても、中学地学レベルの明らかな間違い(例えば27頁11行目)や、専門的にはかなり怪しい記載(159頁19行目など)があるので、読者は鵜呑みにしないよう注意が必要と思う。(既存の地熱関係の本でも、火山に関する記載がおかしいことは珍しくないので、全く驚かないが)2022/12/03