内容説明
日本から遥か南の海風が、なぜ「大型で強い勢力を持った台風」になるのでしょう。長い歴史を経て、今では世界規模で台風を観測・分析しています。温暖化が進んだら台風が増えるの、減るの?台風情報の精度はどこまで進むの?毎年のように大きな被害をもたらす台風の観測と予測の最新情報を、台風研究の第一人者がお話しします。
目次
第1章 台風とは何か
第2章 台風の発生・発達のメカニズム
第3章 台風をとらえる
第4章 台風を予報する
第5章 地球温暖化と台風
第6章 台風防災のための国際協力と将来の観測
第7章 台風災害を減らすには
著者等紹介
中澤哲夫[ナカザワテツオ]
1952年神奈川県山北町生まれ。1980年東京大学理学系研究科博士課程単位取得。1989年理学博士(論文博士)。気象庁気象研究所台風研究部で、熱帯気象学、モンスーン気象学、衛星データを用いた台風解析などの研究に従事。2010年にスイス・ジュネーブにある世界気象機関で世界天気研究課長を4年務める。2015年から2年間、世界気象機関の季節内~季節予報プロジェクトの国際調整事務局(韓国国立気象科学院内)に勤務。2017年から現在まで気象研究所客員研究員。日本気象学会より、山本賞(1989年)、藤原賞(2016年)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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aochama
1
最新の台風の知見と観測方法、温暖化との関係、台風研究の国際協力、警戒情報の概要と限界について高度な内容を平易に説明。専門的な内容もありますが、興味深く読めました。これから上陸する台風が少なそうですが、台風発生時にはこれまでと違った視点で見られそうです。2020/10/04
こばこ
0
図書館で借りて読み。研究をやってきた大家が、やってきた分野の総括本を出すぞ、というやつの中澤さん版。台風の本は多く出ている中で、敢えて中澤さんが、という価値は第3章・第4章の観測・予報メインの箇所にあるのかなと感じたところ。ここは非常に読みどころで、他の本にはない価値があると思います。第1章・2章については「台風の本質を教えたい」という話に対して、これだと多分もっと若手の書籍の方がまとまっているな、と感じた次第。第5章の温暖化とか、第7章の防災にも同じことを感じたので、3章と4章ですね。そこはすごいです。2020/01/11