内容説明
コンテナ海運の創世記。本書は、英国で出版された『British Box Business:A history of OCL』の翻訳書である。OCL(Overseas Containers Limited)は、1965年に英国の主要船社が共同で設立し、コンテナ化の波に乗って業界を牽引した。欧州~豪州航路から事業を拡大し、一時は世界第2位の規模を誇ったが、1980年代以降の市場変化に直面。新興アジア船社の台頭や親会社の株主利益重視姿勢が強まり、さらには親会社間で利害が対立し、曲折を経て最終的にマースクに吸収された。本書は、元取締役の証言や豊富な資料を基に、OCLの40年間にわたる歩みを詳述。英国海運の盛衰を描くとともに、組織構築や人材育成の手法も浮き彫りにする。歴史と戦略を学ぶ上で、海運業に関心のある読者にとって必読の1冊である。
目次
第1章 始まり
第2章 最初のサービスを計画
第3章 豪州への航海
第4章 同盟、コンソーシャムそして日本への渡航
第5章 一貫輸送ビジネスの構築
第6章 極東トレード
第7章 1973年から1978年までの期間
第8章 ニュージーランド航路
第9章 南アフリカ航路
第10章 OC(太平洋)社と豪州・ニュージーランド~アジア航路
第11章 中東、インド、東アフリカ航路
第12章 競争に立ち向かう:1979‐1986
第13章 財務の諸問題
第14章 OCLのその後:1986‐2005
付録