内容説明
今日の世界は,貿易や直接投資あるいは自然環境を通じて経済的な相互依存関係にある。それらの実態を分析する上で産業連関分析は成熟した分析手法として多くのエコノミストに利用されてきた。本書は新たに開発された最新の手法を紹介しつつ、経済のグローバル化に伴ってますます重視されてきたエネルギー消費と環境汚染物質の排出の関連といった環境問題をはじめ、アジアNIEsや米国との産業構造、費用構造の国際比較、消費税導入の経済効果、さらには地域間の産業構造格差や輸入財を除いた国産化率など、多岐にわたる実証分析の応用を通してその可能性を明らかにする。巻頭には産業連関表と産業連関分析についての解説を配し、初学者には概説として、第一線の分析家には最新の応用と実証研究の成果として幅広い読者の要請に応える。
目次
第1章 産業連関表と産業連関分析
第2章 日本の産業構造の変化とその要因
第3章 韓国・台湾・米国の産業構造の変化とその要因
第4章 産業構造の地域間格差の要因分析
第5章 環境問題と産業連関分析―産業別環境汚染物質発生量の予測
第6章 国産化率の推定
第7章 費用構造の国際比較―日本、アメリカ、西ドイツを例にとって
第8章 戦後日本の費用構造変化の要因分析
第9章 消費税導入の経済効果―1990年産業連関表を用いた予測とその評価