内容説明
株式・債券・デリバティブなど金融商品の価格決定とポートフォリオ選択を、最新の理論を駆使して解説する画期的なテキスト。著者は不確実性をともなう動学的枠組みにおいて、裁定・最適性・市場均衡の三つの基本性質を「状態価格」をとおして統一的に捉えその全体像を与えるとともに、ミクロ経済学の視点から資産価格理論を整理することによって経済理論に新たな貢献をもたらした。さらにファイナンスの基礎理論とその実務への応用にかんする詳細な解説は、金融証券界の第一線で活躍する実務家にとっても最良の手引きとなっている。章末の練習問題と詳しい文献案内は、正確で明快な訳文とあいまって、読者を確実な理解と研究の最前線へと導くに違いない。
目次
第1部 離散時間モデル(状態価格による証券価格の表現;基本的多期間モデル;動的計画法によるアプローチ;無限期間のモデル)
第2部 連続時間モデル(ブラック・ショールズモデル;状態価格と同値マルチンゲール測度;期間構造モデル;デリバティブ;最適ポートフォリオ・消費選択問題;均衡;数値計算法)