感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てれまこし
11
政治的去勢されたリベラル政治家であり家庭の暴君である父への憎しみ。彼に虐げられながら抵抗する信仰心厚い母を守ることができないという罪の意識。父からようやく経済的独立を得た息子は反抗心を露わにするが、それが父を死に至らしめる。父殺しの罪の意識によって彼の心身は崩壊する。母から受け継いだプロテスタント倫理こそが「鉄の檻」である。それに気づいた彼はその歴史と帰結を解明するとともに、禁欲的合理主義の敵たる生の哲学、とくにエロス主義に接近していく。近寄りがたいウェーバーの思想も、この個人史と関連づけると自分事だ。2023/05/21
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